前回は瞑想のデメリットと、その代替となるニクセンについて書いたので、
今回はニクセンの方法論について特化した内容を書いていこうと思う。
まず、ニクセンとは何か?
ニクセンとはオランダ発の用語で「何もしない」を意味する。
その方法は様々で決まった形がない。
それもそのはずである、ニクセンとは誰かが広めたものではなく、
人間が元々行うことがある自然な行為だからだ。
だから修行体系とか技術レベルがあるわけではない。
私がニクセンという用語を用いるのも、それが一番しっくりきたからである。
つまり、これは修行や精神修練とは異なるものである。
だから、宗教色も縛りもほとんどない。
あれもニクセン、これもニクセンと言えてしまう面がある。
では、一体全体ニクセンとは何をするのだ?と思われるかもしれない。
そう、それは何もしないことをするのだ。
その何もしない状況とは人によって異なると言える。
私のケースは布団の上で座椅子に座り、
ドビュッシーのピアノ音楽を聞いてノンビリとするのがニクセンだ。
なぜなら、これが私にとって一番何もしない状態だからだ。
例えば日向ぼっこをして時間を潰すというのもニクセンだ。
窓から見える空の景色をボーッと眺めるのもニクセンだ。
芝生に転がって木陰で休むのもニクセンだ。
海岸でポツンと座っているのもニクセンだ。
ただ、これはその人にとってそれが一番何もしていないと感じていないといけない。
ニクセンの唯一の縛りとは何かをすることだ。
だからネットサーフィンしながらリラックスするとかはニクセンにはならない。
動画を見ながらのんびり過ごすというのもニクセンにはならない。
ゲームをしながらボーッと時間を過ごすのもニクセンにはならない。
なぜなら何かに意識を集中しているというのは、ニクセンにならないからだ。
限りなく何もしない状態を維持することがニクセンというものだ。
だから呼吸を意識するとか、何かの対象に集中するとかではない。
それは瞑想であり、ニクセンとは真逆のベクトルを持つのだ。
したがって瞑想では禁忌とされていることでもニクセンでは許容される。
その代表的な例がニクセン中に寝てしまうことだ。
ほぼ全ての瞑想は寝ることを許さないがニクセンでは許される。
それは、睡眠が何もしない状態であるからだ。
つまり寝ることもニクセンであると考えるから、そのまま寝てしまってもいいのだ。
私は行わないが飲酒後のニクセンも可能かもしれない。
ただ飲酒後であればニクセンなどせずに、そのまま寝た方がいいと思うが。
では、そんなゆるーいニクセンにどんな効果があるのか。
これについては個人的な体験を主として書かせて頂くが、
・リラックス効果による精神的疲労の回復効果
・身体と意識のリフレッシュ効果
・瞑想とは異なる部分での意識活性化効果
などが主に挙げられると思う。
ニクセンの元々の目的が、燃え尽き症候群に対する対策だったことから、
これを緩和する効果が主なものとなる。
だから瞑想と違って悟りを開くとか、
意識を異常にクリアにするとか、そういう超常的目的とは離れている。
それゆえ安全に取り扱えるのである。
ただ、どんなことがニクセンであり100%安全であるか?
それはニクセンを行う人自身が考えなくてはならない。
自分に合った何もしない時間とは何か?まずそこがスタートでありゴールだ。
非常にシンプルであるし、難しいことは何もない。
このシンプルさと、容易さ、制約の無さがニクセンの最大の利点だ。
逆にデメリットを挙げるとすれば、ニクセンのための時間が必要である事と、
自分が本当にリラックスできる状態を再現する必要があるのが欠点だ。
そしてニクセンは宗教ではないから何か信仰を持っていても干渉しない。
無信仰の多い日本人には理解しづらいかもしれないが、
宗教色がないことは大変よろしい。
対して瞑想は源流が宗教であるため既存の信仰と干渉する可能性がある。
私は日本人としては珍しく信仰を持っているタイプなので助かっている。
と、長くなったが、以上がニクセンの内容である。
なぁ~んだ。大した情報じゃないや、と残念だったら申し訳ない。
ただニクセンは私が統合失調症で困っていた時も用いることができたし、
安全性という点では満点を与えても良いと思っている。
今回は以上となる、何らかの参考になれば幸いである。