何かを修める時に必要となるもの
精神世界に限らず、何かを修めるためには必ず必要なものがあります。
それは――「正直」であることです。
この「正直さ」が欠けていると、どんな道であれ深く極めていくことは困難になるでしょう。
本当の意味での「正直」とは
ここでいう「正直」とは、「教祖様の言うことに盲目的に従いましょう」や「清く正しく汚れなく生きましょう」という話ではありません。
自分の気持ちに対して正直である――
これこそが、修練や学びを深める上での土台なのです。
感情に正直であることの意味
人や出来事に「すごい」と心から感じたとき、それを無理に否定するのではなく、素直に受け入れること。
あるいは、何かに違和感や「おかしい」と感じたなら、その感覚を押し殺すのではなく、正面から向き合うこと。
こうした内面に対する誠実さがなければ、自己変化のチャンスを自ら潰してしまうのです。
人の素晴らしさに感動できるのは、そこに自分の可能性が映っているからであり、違和感を覚えるのは、新たなステップへと進む前兆だからです。
正直さが導く学びと成長
何かを修める際、自分に足りないものがあれば、
「自分にはこれが足りない」と素直に認めること。
また、自分が「これは違う」と感じたなら、
それを否定せず、ただ「そう感じている」と受け止めること。
このような内的な正直さが、
「本物」になるために必須の条件です。
これを誤魔化していては、決して真の実力者にはなれません。
模倣と正直さ
たとえば、あなたが尊敬する人物に近づくために、その人のやり方を真似する――これはとても重要なステップです。模倣は自己実現の出発点であり、多くの学びを与えてくれます。
しかしこのとき、
「人の真似は格好悪い」
「他人の目が気になる」
という気持ちから、正直になれなければ、
せっかくの成長のチャンスを逃してしまうのです。
さらに、模倣を続けるうちに、「この部分は自分に合わない」と感じることがあるかもしれません。そのときは、その感覚にも正直になって、自分自身のやり方にアレンジしていく勇気が必要です。
他人の方法にいつまでもしがみついていると、自分の内なる声を無視することになり、成長は止まってしまいます。
正直は、心の明かり
つまり、「自分の気持ちに正直に、建設的に取り組む」という姿勢こそが、自分自身を高めていく力の源になります。
正直であることは、道を修めていく上で、決して欠かすことのできない要素です。それは単なる倫理的美徳ではなく、心のエネルギーとしての「明かり」なのです。
その明かりが、これから進むべき道を照らし、自分自身を静かに、しかし確実に導いてくれるのです。