統合失調症体験記。抗不安薬セルシンの実感効能と、その詳細について

不安という感情をどうコントロールするか

皆さんは不安を感じた時、どうしているだろうか?
例えば、何かをしたり、外に出て気分転換したり、
そういった過ごし方をする人が多いのではないだろうか。

私の場合「統合失調症」という大病を患っているため、
普通の方法では不安を解消できない。
正確には解消できる不安の量が絶対的に少ないのだ。
私は専門医では無いので一体験者として今回この記事を書く。

統合失調症体験者からの不安の感じ方

まず私は不安を不安であるとハッキリ認識できなかった。
それは常に不安が隣合わせで不安から離れたことが無かったからだ。
これはちょっと鬱の状態にも似ている。

表情も乏しいし、反応も薄いし、意欲の減退、
一人になったら出てくる言葉は死にたいとか、
家にいるのに帰りたい、とか言ってしまう状況である。

これは実は誰かが悪いとか、自分のせい社会のせいとかではなく
単純に不安がある、という状態そのものなのだ。
近年ではコロナ過の影響もあり徐々に理解もされつつあるが、
鬱は甘えとか、そういった一部の声の大きい人間の言う通りではない。

実際に不安そのものと自分が共存してしまう状況というものがあるのだ。
それが傍から見ていると、なんでそんなに深刻なの?
どうして今、不自由ではないのに怖いの?とか疑問に思えてしまう。
当然だ。

強い不安と共存したことが無い人間には理解ができない感覚だからだ。
私は生まれてきて最も辛かった状態というのは、
強い不安と自分が共存していた時間だ。
極度の不安というのは死よりも恐ろしい。
なぜなら死は諦観であるのに対して、不安は生きる事を選択しているからだ。
生きるということは辛い。まして強い不安を持って生きるのは尚更だ。

投薬による不安解消

こうした時、私が一つ意識的に外していた選択があった。
それが薬物に頼ることだ。薬物といってもちゃんと医師から処方されている。
その中で唯一「統合失調症」のためではない薬があった。
これを頓服薬として持っておきなさいと、私を診た名医が言ったのだ。

私は過去二回「統合失調症」を発症している。
まずは初発。19歳の頃学生期に発症した。
この時は私の周囲の人間も何も分からず、ただただ医師の指示に従った。
しかし、当時頓服薬として処方された「セルシン」には一切手をつけなかった。

なぜか?
理由は簡単である。私は不安を感じていなかったからだ。
正確には不安を感じるセンサーもマヒしていて、多少の不安は当たり前だった。
処方される薬も回復期に入るに従ってみるみる少なくなり、
最後に飲む状態は「ジプレキサ」という薬を一日一回、最低処方量だった。

再発によるコントロールできない不安と直面

しかし、社会人となり二度目の「統合失調症」再発を経験する。
この時のことは今でも鮮明に覚えている。
死という文字では表現できないほどの不安を感じたのだ。

この時、初発の頃から安定していった最低処方量のジプレキサを、
OD(薬の飲みすぎ)の強い欲求に何とか耐え、
一回の最大処方量に抑え、ひたすら自室で不安と闘っていた。
そして翌日から不安と闘い続ける日々が始まったのである。

それが大きく好転したのは、ようやく最近になってからだ。
私は再発の時からセルシンを自身の誓いとして禁忌としていた。
それはちっぽけなプライドであり、誤判断であったかもしれない。
とにかく私は再発後に出された膨大な量の統合失調症の薬の他は、
飲むことを躊躇ったのだ。

これは今の医師も見抜けなかったし、周囲の人間にも分からなかった。
なぜなら自分もこの感覚は不安から来るものだと分からなかったからだ。
だから言語化することなどできないし、理解されることも無かった。
それがふとしたきっかけで、ちょっと飲んでみようかな?
と、思ったのが最近のことだった。

投薬によって初めて不安が解消された

それは何となくとしか言いようがない。まるで運命の如くだった。
飲んだ後は何となく調子がいいな。という感じになり、
あれ?今まで感じてた不快感が薄くなってる???
といった状態を味わうことになった。
そう、私はついに正気に戻って来たのだ。

これは抗不安薬を全面的に支持する記事ではない。
人によってはセルシンという薬の作用で悪い結果が出ることがあり、
ベネフィット(効能)に対してリスク(副作用)も存在する。

ただ、私の場合においてはセルシンが絶大な効果をもたらした。
あの忌々しい不安感から逃れることが出来たのだ。
薬を飲んで不安を解決するなんて・・・と思う人もいるかもしれない。

しかし、透析や手術に比べれば微々たる変化である。
大半の人間は死ぬまでに幾度かは医者の助けを借りることになる、
それが私の場合、抗不安薬であっただけのことだ。

セルシンについて

セルシンは依存性が少なく、薬の効果が長く働き、
大体、薬が2~4日残り続けると言われている。
※セルシンの詳細については他の医療関係のサイトを参照して欲しい
50年程も前に発明された薬だが、いまだ現役バリバリの効果を発揮し、
現代でも十分に通用する薬である。


私が飲んでいるのは↑のセルシン2㎎1錠、3~4日空けて服用している。

結局の所「統合失調症」という病気の対策は薬に頼る他ない。
というのが私の持論でもあるし、一般的な見方でもある。
だから何か困ったことがあるな、と思ったら、
薬の采配によって解決していく以外にないだろう。

統合失調症とは

もちろん、医師には逆らわず、よく相談し、当人が重症であれば、
周りが先回りする意識で、介抱する必要がある。
私は再発の際に、初発時に禁忌とされた薬を家族が覚え間違えて処方され、
暴れてしまったり。私の状態を見てどうすればいいか右往左往して、
最終的に自分の判断で解決に至ったが、これは稀なケースかもしれない。

とにかく「統合失調症」という病気は本人にも周りにも厄介な病気なのだ。
だが、私は社会資源としてはキチンと薬の管理をできれば、
一般人と同じ領域近くまで回復可能なケースも多いし、
他の病気よりも得をする可能性がある病気だと思っている。

それは医療費の面で優遇されることもあるし、
諸所の面で社会的恩恵に与る可能性が高いからだ。
能力は落ちる人は落ちるかもしれないが、私はあまり実感が無かった。
むしろ初発前の性格は尖り過ぎていて、大人しく真面目になったように思う。

以上が「統合失調症」疾患者の生の声であるが、
次回は統合失調症のどん底の生活と、一般的な生活の違いについて書こうと思う。

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