囲碁に学ぶ「勝つための戦略」
私の趣味である囲碁は、勝負の戦略が非常に分かりやすいゲームです。
囲碁で勝つためには、相手に「駄目場（だめば）」を打たせることが重要です。駄目とは囲碁用語で「価値のない場所」という意味。相手の石を、意味のない、無駄な場所に誘導できれば、自ずと勝利が近づきます。
つまり囲碁では、「いかに相手に意味のない行動をさせるか」が勝負の鍵なのです。
人生における「勝利の法則」は真逆にある
ところが、人生においては囲碁とは真逆のことをしなければなりません。
人生で本当に成功したいのであれば、「相手に価値あるものを与える」ことが何よりも重要です。なぜなら、この宇宙は――言い換えればこの現実世界は――「与えたものが返ってくる」という法則に支配されているからです。
人生における成功の基準とは、
- 人をいかに幸せにできるか
- 自分の力をいかに他人のために使えるか
- 他者の良い部分をいかに引き出せるか
といった「与える力」によって測られるのです。
宇宙の仕掛け：豊かさは循環する
自分が持っている豊かさを使って、他者を豊かにする。それによって、さらに自分も豊かになっていく。これは偶然ではなく、宇宙に組み込まれた一種の仕掛けです。
逆に、
- 他人を貶めること
- 自分の能力を悪用して金を稼ぐこと
- 他者の価値を削ぐような行動
こういった考えに基づく行動は、一見うまくいくように見えても、最終的には必ず悪い結果となって返ってきます。しかもそれは、「例外なく」訪れます。そこにこの世界の、見えざる厳しさ――ある種の”いやらしさ”が存在しているとも言えるでしょう。
賢者と愚者を分けるたった一つの違い
将来的に損をする行為は、今すぐ損をしているのと同じです。逆に将来的に得をする行為は、今得をしているのと本質的に変わりません。なぜなら、「将来」は必ず到来するものだからです。
悪事を働いて「後のことはどうにかなるだろう」と考えるのは、愚か者の発想です。
一方で、「今は損でも、将来に得をもたらす行動を取ろう」とする人は、賢者と言えるでしょう。
「自分が行ったことは必ず返ってくる」
この法則を本気で理解しているかどうかが、人生の成否を分ける大きな境界線となります。
思考だけでは不十分、現実で「形」にする
どれだけ高尚な思考を持っていても、それを現実で「形」にしなければ意味がありません。思考のレベルが高くても、行動のレベルが低ければ、成果は出ません。
大切なのは、「高い思考」と「確かな行動」の両立です。これができる人間こそが、真に人生を成功へと導いていくのです。