ありのまま──偏りを超える実践哲学

物事を多様な角度から見るようにする

人の欠点ばかりを指摘する人と付き合いづらいように、
長所ばかりを褒め称える人も、どこか信用しづらいものです。
なぜなら、この世界に存在するすべてのものは一長一短であり、
良い側面と同時に、あまり好ましくない側面も必ず持ち合わせているからです。

仏陀は「正見」を説きました。
それは、物事をありのままに、偏りや執着なく見る智慧です。
また「中道」とは、極端に走らず、偏らない姿勢を意味します。
耳触りの良い言葉ばかりを信じることも、否定ばかりに囚われることも、
どちらも真実から遠ざかると仏陀は教えています。

例えば、耳触りの良い言葉だけで飾られた文章は奥深さに欠け、
逆に、厳しい言葉の中にこそ真実が潜んでいることもあります。
「こういった側面もあれば、こういった見方もある」と、
ありのままを見つめることが、真実に近づく道です。

智慧ある人は、良いと言われるものに欠点を見つけ、
悪いと言われるものに長所を見つけ、
両者を差のないものとして理解していきます。
そうして初めて、あらゆるものを偏りなく扱えるのです。

実践のヒント

1. 日常に落とし込む観察練習
朝のニュースや人の発言を見て、必ず「良い面」と「悪い面」を一つずつ書き出す。
これにより、自然とバランスの取れた視点が育ちます。

2. 長所と欠点は一対であると認識する
例:優しさ → 優柔不断にもなり得る
決断力 → 冷酷にもなり得る
こうした「裏表の関係」を日常的に意識することで、極端な評価を避けられます。

3. 偏りを減らす習慣
好き嫌いが強く出るテーマに関して、あえて中立的な情報源を探してみる。
異なる立場からの情報を意識的に取り入れることで、視野が広がります。

結び
偏りなく「ありのまま」を見る力は、
仏陀の説く「正見」と「中道」の実践そのものです。
日々の小さな観察と意識の積み重ねが、
やがて揺るぎない洞察力と包容力となって現れます。
それは、世界をより立体的に見つめ、偏見を超えて人や出来事に向き合える力なのです。

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