ほどほどで満足するには
世の中の多くの人は、高い能力や競争する力を重視するかもしれません。そういう人が多いほど、世界は荒れやすくなります。調和的な感覚を身につけるというのは、実は大変なことです。
ほどほどで満足するとは
一番分かりやすい例が、「ほどほどで満足する」ということです。人間というのは常に様々な欲望を抱いていますから、「あれも欲しい、これも欲しい」という願望は尽きません。この欲望をコントロールすることは、とても難しいのです。
欲望を力に変えて戦うことは、才能と努力と運があれば形になります。どうやら世間一般では、この点がとても重視されているようで、「何でも強いことは良いことだ」というのが一般的な見方でしょう。しかし私は、目に見えることよりも、別の部分を大切にしています。
本当の強さとは何か
それは他人に勝つことではなく、自分に勝つことです。欲望をコントロールするには、他人に勝つ必要はありません。しかし、自分に勝っていなければならないのです。これはとても困難な課題です。
多くの人は、自分の中の思考や感情をコントロールすることを、他人に勝つことより重視していないかもしれませんが、私は何よりも「自分をコントロールすること」に重きを置きます。
なぜ「人より優れている」という利益を捨ててまで自分を重視するのか?それは、これが出来れば人生の苦しみを大幅に減らせるからです。苦しみは自分自身が生み出すものですから、自分を支配することが必要です。ですから私は、他人に勝つことも、誰かが誰かに勝つことも、あまり興味がありません。他人に勝ったところで、人生の苦しみが消えることはないからです。
どうすれば「ほどほど」で満足できるか
これはなかなか難しい問題です。以下に三つの考え方を挙げます。
1. 利点と欠点の両面を理解する
物事には必ず、利点と欠点の両方が存在します。まず、「良い話」が出たら疑うこと。これが大切です。世の中は利点ばかりを強調する人が多いため、その欠点を考えるだけでも、欲望の炎は大分小さくなります。
2. 必要な物以外は獲得しない
これは非常に難しいですが、余計な物を獲得しないことは極めて重要です。余計な物を持っていると、それが負担となることがよくあります。多くの富を持っていれば狙われもしますし、妬まれることもあるでしょう。
持つことの害悪と、持たないことの利点は、よく考える必要があります。これを理解しなければ、なぜ獲得し過ぎることが良くないのかを認識できません。
ただし、難しいのは「何が、どれぐらい必要か」という判断です。ここを見誤ると危険です。自分には、どんな物が、どれだけあれば安全で満足できるのか?これを常に意識しておかねばなりません。必要な物が、必要な分だけあることが、人生の失敗を減らす鍵です。
3. 世間体やプライドに振り回されない
これは多くの人に当てはまることだと思います。人は大なり小なり、世間体を気にします。しかし、世間体は自分の合理的な生き方と相反することがあります。それらは欲望の炎を燃やす燃料源とも言えるでしょう。
私は、余計な世間体やプライドが原因で人生を苦しくした人を多く見てきました。その経験から、自分の人生に無駄となる物は捨てることが大切だと考えています。
どんな形であれ、他人に迷惑をかけず、自分が幸せならそれで良い。これが私の信念です。自分の外見ではなく、自分の人生の中身を重視することが大切です。