本当に良いものは気づかれにくい
私たちは往々にして「本当に良いもの」に気づきにくいものです。
幸福もまた、失ってから初めてその価値を知ることが多いとよく言われます。
例えば、普段呼吸をしているときに自分の肺を意識することはありません。
しかし、喘息などで息が苦しくなったとき、人は初めて肺の働きのありがたさを実感します。
つまり、当たり前すぎて気づかれないものこそ、最も重要で「最上の善」だと言えるのです。
徳の働きは目立たない
古来から「最上の徳を持つ人は気づかれない」と語られてきました。
次に優れた人は褒め称えられ、その次は恐れられ、最も劣った人は軽んじられる。
これは、大いなる存在や深い智慧の働きが、表立って見えないことと同じです。
見えないからこそ自然に溶け込み、人々の暮らしを支えているのです。
日常でも働く大いなる存在
私たちはつい「大いなる存在は日常には関わっていない」と思いがちです。
宇宙の運行や壮大な自然現象だけに働きかけているように見えるかもしれません。
しかし、これは全くの誤解です。
大いなる存在は、日々の営みの中でも絶えず作用しています。
私たちがそれを理解できないのは、その働きがあまりにも完璧で、違和感なく溶け込んでいるからです。
だからこそ「当たり前」と思ってしまい、その恩恵に気づけないのです。
実際には、大いなる存在は宇宙だけでなく、地球の小さな日常にまで行き渡っています。
平凡な一日の中にもその恩恵は常にあり、私たちが気づかないだけで支え続けてくれているのです。
実践的ヒント ― 当たり前を丁寧に扱う
・人間関係:家族や友人の存在は大いなる存在が繋がりを維持しているのです。感謝を忘れてはいけません。
・仕事:日常業務こそ大いなる存在から与えられたタスク。感謝と改善の意識を持つことが成果につながります。
・健康:健康こそ大いなる存在のギフトです。睡眠・食事・運動を通じて、その恩恵を維持する努力を心がけましょう。
・精神:精神自体が大いなる存在の一部です。平穏無事な一日に「ありがたい」と感謝する心を育みましょう。