10年運営して分かった、ブラウザゲームが生き残れなくなった理由

なぜブラウザゲームは生き残れなくなったのか

個人ゲームが生き残らない、という言い方は正確ではありません。
正確に言うなら、「ブラウザゲームという形式が、生き残りにくくなった」という表現になります。

実際、Steamやインディーソシャゲを中心に、個人制作ゲームが成立している例は今も存在しています。
一方で、かつて一定の存在感を持っていたブラウザゲームは、2010年代後半以降、明確に衰退していきました。

これは作品の完成度や、作り手の努力不足によるものではありません。
環境そのものが変わった結果だと考えています。

ブラウザゲームが成立していた時代

2010年代前半まで、ブラウザゲームには明確な追い風がありました。

・URL一つで即遊べる
・インストール不要
・PCブラウザが主要な遊び場
・Flash全盛期
・「無料である」こと自体が価値だった

当時は、高精度な基本プレイ無料ゲームも少なく、競合の質も今ほど高くありませんでした。
そのため、個人制作であっても、工夫次第で十分に勝負できる環境だったのです。

この時代、ブラウザゲームは「参入障壁の低さ」そのものが武器でした。

時代が変わった瞬間に起きたこと

転換点は一つではありません。
複数の変化が、ほぼ同時に起きました。

・Flashの終了
・スマートフォンの主流化
・Steamの台頭
・ソーシャルゲームの高品質化
・タイパ重視、即時報酬文化の定着

運営者として体感した変化は、非常に分かりやすいものでした。

無料であるにもかかわらず、人が来ません。
新規の方が来ても、定着しづらくなりました。
そもそも宣伝が機能する場所が明確に少なくなりました。

ゲームの出来が急に悪くなったわけではありません。
しかし、プレイヤーがゲームに割ける前提条件が、完全に変わってしまったのです。

完成度の問題ではなく、前提条件の問題

ブラウザゲームが衰退した理由は、「質が低かったから」ではありません。

むしろ、多くの作品は今見ても設計が破綻していません。
戦略性も、思想も、一貫しています。

それでも成立しなくなったのは、そのゲームが要求するプレイヤー像が、時代と合わなくなったからです。

・考える時間
・継続的な関与
・時間を要するコンテンツ

これらを自然に要求するゲームは、現代ではどうしても不利になります。

これは失敗ではなく、ミスマッチだと考えています。

現在も続いてはいるが、楽な状況ではない

私自身が運営しているブラウザゲーム「モビルファイト」も、現在まで細々とではありますが継続しています。
ただし、正直に言えば、状況は決して楽なものではありません。

それでも続いているのは、完成度の問題でもなく、努力を怠っているからでもなく、
単に「この形式そのものが、時代の主流ではなくなった」という現実を受け入れた上で、
無理のない形に調整してきた結果だと考えています。

それでも昔のような人口豊潤な時代と比べると、やはり苦しくなったというのが感想です。

多人数参加型が特に厳しくなった理由

ブラウザゲームの中でも、多人数参加型は特に厳しい状況に置かれました。

多人数参加を前提とする設計は、人口流入が止まった瞬間に脆くなります。

・過疎=コンテンツ不足
・待ち時間の増加
・運営の負担増
・悪循環から抜けられない

これは運営努力で解決できる問題ではありません。
設計段階で、すでに不安定さを抱えていると言えます。

現在、個人で多人数参加型ゲームを作ることは、かなり高いリスクを伴う選択になっています。

これから個人でゲームを作る人への現実的な助言

綺麗事を抜きにして言うなら、以下の方向性はあまり勧められません。

・多人数同時参加を前提とした設計
・人口増加を前提とするゲームバランス
・広告で何とかなるという期待
・「面白ければ人は来る」という幻想

一方で、現実的に成立しやすいのは、次のような方向性です。

・少人数でも成立する
・一人でも完結する
・観戦や読み物としても成立する
・作者が無理をしなくて済む

これは妥協ではありません。
長く続けるための、現実的な選択だと考えています。

終わりに

ブラウザゲームが成立しなくなったのは、才能や努力の問題ではありません。
時代が変わった結果です。

そして、その変化を現場で体験し、今もなお運営を続けている立場からの記録は、
今後ますます少なくなっていくでしょう。

この文章が、これから何かを作ろうとする人にとって、
一つの現実的な判断材料になれば、それで十分だと思っています。

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