快楽と苦しみという教材
私たちの生活において、快楽と苦しみは常にセットで訪れます。
楽しいことに没頭しすぎれば、必ずその反動として苦しみが生まれる。
例えば、ゲームのやり過ぎで寝不足になる、甘い物を食べすぎて体調を崩す。
こうした現象は「快楽の副作用」とも呼べるでしょう。
しかし、これは決して悪いことではありません。
むしろ大切なのは、その小さな苦しみを「教材」として活かすことです。
小さな苦しみは人生の師
人間は大失敗をしてから気づくよりも、日常の中の小さな失敗で学んだ方が安全です。
ゲームのやり過ぎで寝不足になれば、「自分は何時間で限界を超えるのか」を体感できる。
甘い物を食べすぎて後悔すれば、「どの程度で体が重くなるのか」を知ることができる。
つまり小さな苦しみは、未来の大きな失敗を避けるための「練習問題」なのです。
忘れっぽさを克服するために記録する
ただし、人間は忘れやすい生き物です。
どれだけ苦しい思いをしても、数日経てば「まあ、いいか」とまた繰り返してしまう。
だからこそ「記録を残す」ことが大切になります。
・何をどのくらい楽しんだか
・その結果、どんな苦しみが生まれたか
・体調や気分にどう影響したか
これを一言でもいいので残しておくのです。
すると、次に同じ誘惑に出会ったとき、記録が「未来の自分を守る盾」になります。
快楽を敵にしない
ここで強調したいのは、快楽そのものを悪とする必要はないということです。
人生から楽しみをすべて排除するのは不健全ですし、豊かさも失われます。
重要なのは、快楽と苦しみの関係を理解し、バランスを取ること。
小さな苦しみを「快楽の師」として受け入れ、記録し、そこから学ぶ。
それが積み重なることで、人生単位での大きな失敗を避けられるのです。
結びに
快楽に溺れると苦しみが増える。
しかし、小さな失敗を教材にし、記録する習慣を持てば、快楽は人生を磨くための材料になります。
要は「快楽と苦しみをどう扱うか」で人生の質が決まるのです。
快楽による苦しみを敵にするのではなく、師として迎える。
それこそが、前向きに生きるための実践哲学だと私は考えます。