整理する技術
日常の中で、物や情報は気づかぬうちに積み重なっていきます。
仕事でも日常でも行き詰った時は整理を行うと、新たな発想や停滞感が抜けることがあります。
ただし、本当に必要なものだけを残すには、「技術」と「判断基準」が必要です。
ここでは、私自身が実践してきた整理の考え方を紹介します。
確実に使っていない物から順に処分していく。
まずは「今使っていないもの」から優先的に手をつけましょう。使用頻度が極端に低い物は、後から見てもほとんど不要な場合が多いです。
取返しのつかない物は後回しに。
後でも代用可能な物を優先して処分します。重要資料や思い出の品など、二度と戻らないものは最後に判断します。
判断に迷う物はまとめて保留する。
「保留箱」など、判断に迷う物は再判断用の場所にまとめておくとよいです。時間をおくと自然に決断できます。
過去の重要記録・成果物は残す。
一度しか作れない資料や実績データは、後に分析・再利用の価値があります。廃棄せず残しておきましょう。
古い情報は必要箇所だけ転記して処分する。
すでに更新済みのデータや古いメモは、重要部分をまとめてから廃棄するとスッキリ整理できます。
PCの整理術
過去データをまとめる。
「【2025】」「【old】」などの墨付きカッコ+西暦または文字列で分類すると見やすくなります。
バックアップは最低2系統。
普段使用している端末+別保存先(クラウドや外部SSDなど)で必ず二重化しておきましょう。
万が一、いずれかのデータが消失した場合のことを考えて多重化は必要です。
オンラインとオフラインで分けるのが最も安全です。
機密情報はネットに繋ぐ機器に残さない。
ID・パスワード一覧などは、パスワード付きのファイルでUSBメモリ2本に保存するのが理想です。
ネットからの攻撃を遮断し、パスワード設定することで万が一に備えます。
もちろん、このUSB2本は外部持ち出し厳禁です。
紙の整理術
保存期間を意識して廃棄。
領収書や契約書は法定保存期間(5~7年)を確認のうえ処分します。
定期的に棚卸しを行い、「要・保留・不要」を仕分けます。
分類と保管。
時系列ごと、またはテーマごとにファイル分けし、重要書類は別フォルダでまとめます。
処分時は必ずシュレッダーか、判断できなくなるまで細分化して破棄しましょう。
物理的な整理術
配置は機能性優先。
必要な物は一ヵ所にまとめ、すぐ取り出せるようにします。動線上に便利な物を置き、邪魔な物は避けます。
情報関連は一括確認。
時計・カレンダー・メモ類などはセットで配置すると、作業効率が上がります。
無意識動作でもミスしない配置。
財布や鍵など、出かける前に使う物は定位置を決めておくと紛失を防げます。
コードレス化を進める。
Wi-Fi、無線マウスなど、コードレスでも支障がないものは積極的に無線化します。
有線機器は配線を整理。
余ったコードは束ね、フックにかけるとスッキリします。
有線ヘッドホンは貼り付けフックを使うと快適です。
ゴミ箱は部屋の中心に。
どこからでも捨てやすい位置に配置すると、掃除と片付けの習慣が自然に維持できます。
まとめ ― 整理の三原則
1. 可逆性の確保(取返しのつかない物は残す)
2. 分類の明示化(フォルダ・ラベル・年次で整理)
3. 動線と再利用性の最適化(配置・バックアップ・無線化)
この三原則を意識することで、デジタルも物理も同じ理屈で整理できます。
感情に流されず、論理的に環境を整えることが、最も確実で長続きする整理術です。
何よりこうした空間は無駄がなく、機能的で、ある種の美しさがあると言えます。