希少性の考察
この世界において、価値を生むものは常に「希少なもの」です。
それは物質だけに限らず、人間性や思考にも当てはまります。
例えば、落ちている小石がすべてダイヤだったとしたら、もはやダイヤには高い値はつかないでしょう。
むしろ逆に、ただの小石の方が価値を持つことになるかもしれません。
つまり、他と違うということは、それが良くも悪くも価値となってしまうのです。
誰も考えないことを考えられる人。
多くの人が目を向けない角度からものを見られる人。
そうした存在は、自然と「希少性」という付加価値を帯びるのです。
手を空にしてこそ、新たな希少性が生まれる
ただし、価値を得た瞬間にそれを握りしめ続けると、やがてその思考や言葉は硬直し、次の創造を妨げます。
本当の創造とは「希少性を生み出し、やがて手放し、また新たな希少性を育む」という循環の中でこそ成り立ちます。
多くの革新は、無から突然生まれるわけではありません。
既にある知識や言葉を組み合わせ、応用することで「新しい」と見えるものが形を取ります。
そして、それすらもまた次の素材となり、再び循環の中に溶け込んでいくのです。
だからこそ、私たちは「借りたものを返す」ように、得た言葉や発想を手放していく必要があります。
手を空にしたとき、再び新しい希少性が芽生えるのです。
進化するための態度
いずれ過去に書いた言葉と今の自分に食い違いが出ることもあるでしょう。
しかし、それは矛盾ではなく進歩の証です。
変わり続けるからこそ、新しい価値を創造できるのです。
希少性に価値を見出し、同時にそれを手放す勇気を持つこと。
この二つの態度が組み合わさるとき、私たちは絶えず新しい創造の循環を歩むことができるでしょう。