責任を背負いすぎる人へ
人は誰しも、世界のどこかで起きている出来事に心を動かされます。
災害や紛争、社会の不条理――それらに触れるたび、「自分が何とかしなければ」と感じる人も少なくありません。
しかし、すべてを自分の責任として背負い込もうとすれば、心はやがて疲弊してしまいます。
私たちが完全にコントロールできるのは、自分自身の行動だけです。
世界の人口が10人であろうと、1000億であろうと、この原則は変わりません。
自分が行動した結果以上のものが返ってくることは決してないのです。
「浸透」の原則
水滴がスポンジに落ちると、そこからじわじわと広がっていきます。
責任や影響力も同じで、まずは自分という中心を整え、その波を近くの人へ、さらにその先へと自然に広げていくことが、本来の流れです。
世界を愛そうと思うなら、まず自分と身近な人を愛すること。
世界を救いたいなら、まず自分を救い、その後に目の前の困っている人を助けること。
この順序を守ることで、過剰な責任感に押し潰されることなく、確かな変化を積み重ねられます。
実践のヒント
- 自分を調整する時間を作ってみる(例:日記、趣味、ストレッチなど)
- 身近な人に一日一回、肯定的な言葉をかける
- 社会問題には「一歩だけ」関わる(例:寄付、学び、いいねを押す等)
- 不可抗力の出来事には「見守る・祈る・学ぶ」で関わる
結び
責任を背負いすぎる人は、優しさと真面目さを持った尊い存在です。
しかし、その優しさを長く保つためには、自分自身を守ることが何よりも大切です。
責任は広く持つのではなく、深く持つ。
その深さが、やがて外側の世界に確かな変化を浸透させていくのです。