Xserver VPSが重くなったときの状況メモ(個人記録)

Xserver VPSで発生した夜間のみの重度遅延の記録

私はここ1年と少し Xserver VPS を利用し、Perl + GDBM のゲームサーバーを安定して運用していました。
しかし 2025年11月頃から、これまでとは明らかに異なる遅延が発生しはじめました。

ここでは、私の環境で実際に確認された「事実のみ」を記録します。
同じ症状で困っている方の参考になれば幸いです。

■1. 昼間は正常だが、夜間だけ極端に遅くなる

私のVPSでは以下の現象が明確に確認されました。

・夜間以外(4:00〜18:00):レスポンスは良好
・夜間(21:00〜24:00):CGIの応答が極端に遅くなる

遅延は「Perl/GDBM の CGI 部分」のみで発生し、
静的HTMLや画像配信の速度には影響がありませんでした。

これはアプリ側ではなく、
VPS内部のCPUスケジューリングに起因する可能性が高いと思われる挙動です。

■2. st(Steal Time)値が夜間だけ大幅に上昇

top コマンドで1分間観察したところ、時間帯によって以下の差がありました。

・昼間:st 0.2〜0.7%
・夜間:st 20〜25%(スパイクで25%近く)

st(Steal Time)は、ホスト側がCPUを他の仮想マシンに奪われている時間で、
数値が高いほど「同居ユーザーの負荷の影響を受けている」状態を示します。

私のアプリでは st が上昇する要因がないため、
VPSホスト側の負荷集中が生じていると判断しています。

■3. I/O wait も夜間に連動して上昇

vmstat で確認すると、st の上昇に合わせて I/O wait も断続的に上昇しました。

・昼間:ほぼ0
・夜間:I/O wait が断続的に増加

この組み合わせは、ファイルロックを多用する CGI にとって致命的で、
体感のレスポンス低下と一致していました。

■4. 自分のアプリ側では遅延を再現できない

ローカル環境では
まったく同じコードが遅延せず安定して動作しています。

コード要因ではなく、環境要因であることが確かになりました。

■5. Xserverへの問い合わせと、直後の一時的改善

不具合を問い合わせたところ、
公式サポートより「調査のための同意」依頼が届きました。

興味深いことに、返信直後は一時的に st が下がり、軽くなった時がありました。
しかし2度問い合わせて当日 or 翌日以降、再び夜間の遅延が発生。

これは個人的には、内部で軽度の調整が入った可能性を示唆していますが、
あくまでこれは“事実の結果から見た推察”であり、確証はありません。

■6. クラウドフレア障害前後で挙動が変化

2025年11月18日の Cloudflare 障害の前後から、
夜間の st スパイクが強くなったタイミングが一致しています。

Cloudflareの障害と VPS の遅延に因果関係があるとは断言できませんが、
少なくとも「時期が重なっている」という事実は記録しておきます。

■7. 以前は安定した“当たりノード”だった

ここが最も重要なポイントです。

・同じコード
・同じデータ量
・同じアクセス規模
・同じVPSプラン

これらすべて変わらない状態で、
1年間は快適に動作していたという事実があります。

つまり、今回の遅延は
私自身の設計変更やミスではないことが明白です。

■まとめ(あくまで事実のみ)

この数週間で確認された「事実」だけをまとめると以下になります。


・以前は安定していたが、2025年11月頃から夜間のみ重度遅延が発生
・st値が夜間だけ25%に上昇
・I/O wait も夜間に連動して増加
・静的HTMLは常に高速、CGIのみ遅延
・ローカルでは再現しない
・問い合わせ直後に一時的改善があったが再発した

これらはすべて、私の環境で実際に確認された事実です。

■最後に

この記録は、Xserverを批判するためではなく、
同じ現象で困っている方の参考情報として残しています。

普段は様々な推測もしますが、今回の記事ではあえてそれらを書かず、
事実だけに絞って記録しました。

サーバー環境は日々変化するため、
この情報がそのまま他の方に当てはまるとは限りません。

しかし、私自身は「原因を自分のコードのせいにして悩む時間」を減らすため、
事実を整理して公開することが有益だと感じました。

同様の症状が出ている方が少しでも判断しやすくなることを願っています。

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